『ENDER LILIES』は優等生的なメトロイドヴァニア

『ENDER LILIES』は「死の雨」により滅びた王国の謎を解き明かす、ダークファンタジーの2DスクロールアクションRPGです。 ENDER LILIES Official Web Site(エンダーリリーズ)
『ENDER LILIES』はケチのつけようのない、優等生的なメトロイドヴァニア。
ゲーム性、グラフィック、サウンド、ストーリー。これらすべてが高いクオリティで揃っている。だが、そのすべてを手にしてもなお、心のどこかで物足りなさを感じてしまうのだった…。
クリアまでのプレイ時間は20時間くらい。
良かった点
丁寧に作り込まれ、磨き上げられたメトロイドヴァニア
『ENDER LILIES』は、丁寧に作り込まれたマップや、適度な難易度を持つ敵キャラクター、そしてバランスの取れた様々な要素が絶妙に組み合わさっている。プレイヤーは探索と戦闘を繰り返すことで、徐々にキャラクターを成長させ、新たなるエリアに挑戦していく。
スキル(攻撃手段)とレリック(特殊効果付加アイテム)の種類も豊富で、手に入れるたびにワクワクさせてくれる。
いわゆるメトロイドヴァニアとしては非の打ち所がない作品に仕上がっているといっていいだろう。
高クオリティなグラフィックとサウンド
ストーリーは最近のこの手のゲームによくあるフレーバーテキストから想像して楽しむ感じで多くは語られないが、その分、美しい2Dグラフィックスが幻想的な世界観を創り出している。
サウンドも素晴らしく、特にBGMはまるでプレイヤーをゲームの世界へと誘い込むかのような力がある。
グラフィックもサウンドも退廃的な世界観と非常によくマッチしている。
ストレスのないシステム
マップは形状がそのまま表示されるのではなく部屋ごとに四角で表される。
全アイテムを入手して探索が終了したマップには色が付いたり、別の部屋へのつながりが赤点で示されたりと、システムは親切でストレスフリーに楽しむことができる。
イマイチな点
強烈な個性に乏しい
『ENDER LILIES』は総じて高品質なゲームであるものの、残念ながらこのゲームならではの独創的な個性が感じられない。親切でストレスのないシステム、と上に書いたが、丸くなりすぎて引っかかりが無くなってしまっているような気にもなった。
わがままなユーザーの贅沢な要求だということは自覚しているが、もっと挑戦させてほしかった。
良質なメトロイドヴァニアやりたいな、と思ったら『ENDER LILIES』
『ENDER LILIES』は、初めてメトロイドヴァニアをやってみようとしている初心者は確実に楽しめる作品。
それぞれの要素は間違いなく高品質で文句のつけようがない。ただ、他のメトロイドヴァニアをやりまくっている人を唸らせるほどの強烈な個性には乏しいかもしれない。
値段ぶん楽しめるのは間違いないので、良質なメトロイドヴァニアやりたいな、と思ったらぜひプレイしてみてほしい。