『メトロイド ドレッド』は横綱相撲の良作だが評価は分かれる

調査のため、未踏の惑星に赴いた「サムス・アラン」。さまざまなアクションを駆使し、惑星深部に広がる謎の地下施設を探索することになる。そこで待ち受けていたものは、絶望的な恐怖だった……。 メトロイド ドレッド | Nintendo Switch | 任天堂
メトロイドヴァニアとして、もはやジャンルそのものを表すようになった『メトロイド』シリーズ。『メトロイドフュージョン』以来およそ19年ぶりとなる待望の2Dメトロイドシリーズ完全新作が『メトロイド ドレッド』だ。
一つのジャンルの祖ともいえるシリーズの新作はまさに横綱相撲のような風格を持ちつつも、やや親切すぎる誘導が残念な印象を与えることもあった。
とりあえずエンディングまでのプレイ時間は10時間くらい。
良かった点
手に汗握るボス戦
ボス戦がアツい!圧倒的にアツい!
最初は手も足も出ないが、攻略の糸口を掴むと、さっきまで苦戦していたのが嘘だったかのようにスムーズに倒せる。自分がうまくなった(強くなった)と感じさせてくれる絶妙な難易度だった。
ただ、体力ゲージがなく、攻撃が効いているのかどうが分からないのは不満。ゲージがなくても、せめてもう少し分かりやすいリアクションをしてほしかった。
イマイチな点
一本道で迷わない探索
ほぼ一本道で特に迷うことがなく、あまり探索している感じがなかった。
ゲーム側からの誘導が強すぎて、自分でルートを切り開いている感覚が希薄。まるで迷路を手を引かれながら進んでいるような気分になってしまった。もう少し迷いを楽しませてほしかったのだが、それが本作では実現されていない。
とはいえ、これは評価が分かれるポイントでもあるかもしれない。サクサク進めて快適でむしろ好ましいと感じる人もいるだろう。
単調なEMMIパート
今作から登場したEMMIは通常攻撃が一切効かない強敵。公式サイトでも大々的に紹介されている。
「恐怖」がアピールされているが、実際にプレイしてみると「恐怖」というより「面倒臭さ」の方が強い印象を受けた。結局のところ正解ルートを探す作業になってしまって、強大な敵に追い詰められるドキドキ感を楽しむことはできなかった。
良作なのは間違いないが…
『メトロイド ドレッド』は2Dメトロイドの19年ぶりの新作として、高まりまくった期待に十分に応えてくれるゲームだ。
最初は慣れない操作に戸惑うかもしれないが、徐々にその癖に慣れていくと、思い通りにサムスを操ることができるようになる。レトロな雰囲気を持ちながらも、滑らかに動くグラフィックも魅力的。
ただ、メジャータイトルで多くのプレイヤーが遊ぶ作品であるがゆえに、人によって不満点は残るかもしれない。
例えば、ボス戦が難しすぎると感じる人もいれば、逆に手応えがあって最高だと思う人もいるだろう。一本道の探索が退屈だと感じる人もいれば、快適だと感じる人もいるだろう。
しかしながら、良作であることに変わりはない。プレイヤー自身が自分のスタイルに合うと感じたら、間違いなく楽しめるゲームだ。ぜひプレイしてみてほしい。