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『DUNE/デューン 砂の惑星』は映画館で観るべき作品だった

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DUNE/デューン 砂の惑星

一族の未来のために、希少な資源が眠る危険な惑星へ移住することになったひとりの青年。そこで悪の陰謀に巻き込まれながらも、過酷な運命に立ち向かってゆく。 DUNE/デューン 砂の惑星 | Netflix

『DUNE/デューン 砂の惑星』をNetflixで観た。

失敗した、と思った。

この壮大な作品は、映画館の大きなスクリーンで堪能するべきだった…。

独創的な世界、惑星アラキス

『DUNE/デューン 砂の惑星』の最大の魅力は、舞台となる惑星アラキスの独創的なビジュアル。その美しい景色にまず目が奪われる。

建物から機械や衣装、小物に至るまで、細部にわたって緻密にデザインされており、隅々まで世界観が構築されている。異質でありながらどこか馴染みのある感覚は他の作品では味わえない。特にトンボみたいな羽ばたき機がお気に入り。

原作を読んでいる人は皆それぞれの砂虫やスティルスーツを想像していたはずで、それを超えるようなものを実際に創り上げた制作陣には拍手を贈りたい。

ただ、砂漠の砂嵐の中、顔丸出しなのは映画の都合上しょうがないとしてもちょっと気になった。

ストーリーは消化不良

主人公は、公爵の息子ポール・アトレイデス(ティモシー・シャラメ)。彼がアラキスに渡り、砂の惑星の謎に迫る中で、惑星の先住民フレメンや様々な勢力との関係が描かれていく。

作中で示される『Dune: Part One』というタイトルからも分かるように、実は本作は2部作の1作目。

世界設定が複雑なのでしょうがないが、固有名詞が多く、登場人物・組織の関係を理解するのが大変。序盤から中盤にかけては状況説明に終始している感じで、ようやく話が動き始めたところで終わってしまう。「ここで終わり?」という感じ。

ストーリー自体は本作だけだと起承転結の起承ぐらいで消化不良だった。実際、原作小説の前半部分に相当しているらしい。1作に収めるのは無理なので2作に分けるのはいいとしても、前編だけでも楽しめるようにもう少しバランスが取れていると良かったのではないだろうか。

映画館の大きなスクリーンで観るべきだった

壮大なスケールの圧倒的なビジュアル、そしてハンス・ジマーが手掛けた音楽は映画館の大きなスクリーンと音響設備で体験するべきだった。迫力あるシーンの連続で、途中から頭の中で「映画館で観たらもっと良かったんだろうな」という思いが消えずに作品に集中できないくらいだった。

続編『Dune: Part Two(原題)』はアメリカでの公開日が2023年11月3日、日本でも2023年中の公開が予定されている。世界観の説明は前編で終わっているので、ストーリー展開も激しいものになるだろう。

今度こそ映画館で堪能したい。

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